田代歯科

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田代歯科医院ブログ

第49回 床矯正研究会 症例検討会

 5/17日曜日、床矯正研究会の第49回症例検討会に参加しました。
福岡アクロス7F会議場で行われました。

午前のテーマは「Caries Risk Assessment」「マイナス1歳からのむし歯予防」というタイトルでISISという会社の歯科衛生士の山本くみ先生と相澤尚子先生が講師でした。山本先生はカナダ留学の経験があるそうです。そこでの経験はパラダイムシフトだったそうです。
講演内容
・リスクアセスメント 
リスクの抽出→リスク分析・評価→リスクコントロール→リスク再評価
・むし歯菌(ミュータンス菌)は主にお母さんから子供に垂直感染する。
・お母さんがハイリスク→子供はむし歯になりやすい。
・垂直感染を完全に予防することは不可能。
・リスク検査を実施→リスクに応じた疾患予防。
・生後6か月でミュータンス菌が観察される。

午後のテーマは「反対咬合(うけ口)」で鈴木設矢先生が講演されました。
講演内容
・反対咬合は治療開始は5歳で、10歳までに治癒させるべき。
・早期治癒は、上顎骨の成長を促進し美しい顔になる。
・治療開始時期が遅延すると、上顎骨の成長が阻害されて、平坦な顔面になる。
・タッチスティック・パナシールドは下顎を後退させる。
・パナシールドは、床矯正を行いながら使用できる。
・治療が第二次成長の次期と重なるとコントロールが難しい。            「今、背は伸びていますか?」
・構成咬合を採得可能な場合、外科処置(骨切り)無しで治療可能。

下顎前歯叢生を伴う反対咬合の場合、安易に側方拡大を行うべきではない。
側方拡大を最初に行うと下顎がさらに拡大し、臼歯部が交叉咬合になることが ある。早期に前歯部の被蓋を改善し、上顎骨の成長を促進し、下顎の成長を抑制すべきである。                                      

鈴木先生、毎回気づきをありがとうございます!

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ティーアライナーのコンセプトと臨床応用

 4/29水(昭和の日)、東京都港区芝公園にあるコンベンションホールAP浜松町で「ティーアライナーのコンセプトと臨床応用~下顎位の改善とティーアライナー~」という筒井塾の講習会に参加しました。ティーアライナーとは透明なポリカーボネート素材のデュランで作られた可撤式矯正装置で、これを定期的に交換することによって歯を移動させることが可能です。 

 利点として以下のことが挙げられます。
① 動かしたい歯を動かしたい方向に何㎜動かすなどが正確に設定できる。
② 反作用を床の部分や歯列全体で受けるので、その悪影響をあまり考えなくて良い(床装置と同じ)。
③ 歪んでいるアーチのコントロールがかなり行いやすい。
④ TMDや顎位の偏位にスプリント効果がある。

 このティーアライナーとスプリントや床矯正装置を組み併せて使用することによって歯が移動することは非常に驚きでした。従来、マルチブラケットシステムに代表される固定式装置が一般的である矯正治療に一石を投じる治療法だと感じました。ティーアライナーは素晴らしい装置ですが、装着する前に、口腔・生体を崩壊させている原因(態癖等)を見抜き、除去することが非常に重要なポイントになると思いました。10:00からお昼休み1時間はさんで17:00まで、筒井照子先生、DENTICの大石耕史先生本当に貴重な講演ありがとうございました!

 

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第45回 床矯正研究会 症例検討会

 11/2日曜日に床矯正研究会の症例検討会に参加しました。最初に「私の臨床における矯正からのアプローチ」という演題で大阪府開業の筒井淳先生の講演がありました。床矯正とワイヤー矯正を組み合わせながら、難症例をあきらめることなく治療されている姿に感銘を受けました。また講演の最後には、岩村暢子さんの本を参考にされながら、日本の家族と食事のことにも触れられ、家族団らんの重要性を強調されていました。

 次に床矯正研究会主幹の鈴木設矢先生の講演がありました。最初に、成長・発育に関するビデオが上映されました。このビデオは、ある患者さんの顎骨の変化を模型の経時的変化で捉えたものでした。前後・左右・上下方向にダイナミックに成長する顎骨は、非常に興味深いものでした。この成長を出来るだけ阻害しないように治療することが、大切だと感じました。講演の中で、私が重要であると思ったことを列記します。

・正常咬合を知ること。

・不正咬合の発症の原因を考えること。

・犬歯が萌出する前に治療を行うと、患者さんの負担が少なくなる。

・矯正治療には、メカニカルな処置とバイオロジカルな処置がある。

・床矯正を行った後は、ワイヤー矯正を行うと歯が動きやすい。

など非常に多岐にわたり、皆さん鈴木先生のパワーに圧倒されている様でした。

 後半は、会員の先生の症例に対しての治療法や診断に対する質疑・応答がありました。大分県の詫魔尚司先生から実体験をふまえた「舌癒着症」の症例報告がありました。「舌癒着症」とは、先天的に舌の付け根が前に位置するため、舌の後ろにある気管の入り口が前上方に引っ張られ曲がった状態になるそうです。これによって、乳幼児では哺乳障害、夜泣き、疳の虫、のけ反ってよく泣く、抱き癖などの症状を引き起こすことがあり、さらに呼吸抑制につながることもあるそうです。一日中講義でした。皆さんお疲れ様でした!
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