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ミュータンス菌はカリエスだけではない!

ミュータンス菌はカリエスだけではない!

 

 

堤隆夫
2020年12月17日
悪玉むし歯菌 (cnm陽性mutans菌 / 日本人5人に1人が保有)が, 微小脳出血の出現に関与し, 脳卒中のリスクを高めることが明らかになった. 脳出血は全脳卒中の20%程度を占め, 比較的発症する年齢が若く, 症状が重篤となりやすい. 脳出血は高血圧や糖尿病などの生活習慣病と関わりが深いが, それだけでは説明できない部分が多く, 従来から未知の要因があると考えられていた.
口の中で出血すると, 血管を通り脳内に到達. 炎症により血液を固める血小板の働きが抑えられ, 脳出血につながると考えられる. この「悪玉むし歯菌」は, 生活習慣や年齢の影響によってほころびが出た脳血管のコラーゲンに接着し, 炎症を起こし, 出血を止める血小板の働きを抑制することで脳出血を引き起こすのではないかと考えられている.
口腔ケアで脳卒中などのリスクを低減できる. 口腔ケアの重要性はいくら強調してもしすぎることはない. オーラルヘルスは命の源でもある.
私たち歯科医師は, オーラルヘルスとの関連で “いのち” を考えていく. オーラルヘルスは “愛の心” である. “愛の心” は, 永遠なり.
❇ 研究グループ (国立循環器病研究センター/ 国立大学法人大阪大学/ 慶應義塾大学医学部)は, 脳卒中で入院した患者から同意を得て歯垢を採取し, その中に含まれるミュータンス菌を培養し, cnm陽性ミュータンス菌と経時的な微小脳出血の出現率の関係を調査した結果, cnm陽性ミュータンス菌が歯垢中から検出された患者では, そうでない患者と比較して, 微小脳出血の出現率が4.7倍高いことを明らかにした.
https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/STROKEAHA.120.029607


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