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九州歯科大学臨床歯周病研究会 創立15周年記念講演会

3月8日(日)に九州歯科大学臨床歯周病研究会 創立15周年記念講演会が小倉歯科医師会館でありました。記念講演会について報告します。

13:10 ~ 14:10
特別講演①
演題:「SPT中の再発症例についての検討と予後診断法の開発」
~ Clinical Progonostic Indicatorの解明   ~ 

演者:九州歯科大学歯周病制御再建学 教授 横田 誠 先生
抄録:Axelsson & Lindhe 1981年はメインテナンス中の付着の喪失を予防するにはメインテナンス中のPMTCに代表されるSPTによる長期維持管理の重要性が認識されてきている。一方、例え適切な維持管理を行っても再発が起こりやすい患者がいることも臨床的に経験するところである。今回は、基本治療によるpoor rsponsive patientはSPTにおいても再発傾向が高いことをベースに、biomakerや咬合因子などのprogonostic indicatorについて述べる予定である。

14:20 ~ 16:00
特別講演②
演題:「長期経過症例から見えてきたこと、まだ見えないこと」
演者:北川原歯科医院院長 北川原 健 先生(長野市開業)
抄録:卒業して半年にして父の急病のために長野に帰って臨床に入ってから40年が経過してしまいました。大学で勉強した経験を持たない私はただひたすら自分が処置したものの経過を診、推論することから知識を得てきたように思います。その中からいつかは臨床への考え方に「普遍性」を得たい・・と考えていましたが、人の変化は多様で未だに思考錯誤を繰り返す毎日を送っています。経過を診るという意味では捨てないで保存してきた20万枚になるであろう口腔内写真とカルテ袋の中にあるX線写真は役に立ちました。それらを見ていくといくつかは「普遍性がある・・」とよんでもいいと思われる事柄にも思い至りました。「臨床診断」「臨床経過」「臨床考察」という言葉が私は好きなのですが、今回は一つの症例の処置経過を軸として、「何故こう考えて処置したのか」「どんな結果になっているのか」を、長期経過症例を絡ませてお話してみたいと思っております。前述したごとく「EBMに基づく歯科医療」とは反対側にある形のものであり、フランス料理のフルコースのような美しくおいしいものではなく、信州そばやおやきのように貧しく栄養価も低くあっさりした、しかも賞味期限が切れかかっているものです。九州の方のお口に合うとは思えませんがご試食頂ければ幸いです。

2つの特別講演とも歯周病治療、いや歯科治療の本質に迫るものでした。患者さんにとっては、歯周病そのものがストレスになり、口の中だけではなく全身に影響を及ぼすということがよくわかりました。長期的に患者さんの経過を観察し、そこから得られる事実は、論文や実験とは違った説得力がありました。もっとディスカッションの時間が欲しかったです。

 


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