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竹林直紀先生の投稿です。

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竹林 直紀
2020年11月20日

『基礎疾患がなく普段元気な人は、無症状や軽い風邪症状でのPCR検査や簡易抗原検査はこの冬は受けないようにしましょう』
現在、病院によっては発熱者は全員PCR検査や簡易抗原検査を受けることになっている場合が多いため、無症状や軽い風邪症状で本来自然経過で回復する人も、一旦検査陽性と診断されてしまうと「入院」か「宿泊(自宅)療養」を指示され、日常生活に大きな支障が出てしまいます。(大阪府の資料参照)
検査精度が感度70%、特異度99%と言われているPCR検査は、陽性判定基準のCt値も日本では40~45サイクルと高いため、検査をすればするほど、医療を必要とせず自然治癒する軽症の陽性者を大量生産することになります。
また、インフルエンザ検査も同時に可能な迅速抗原検査キットの普及により、発熱患者全員への検査件数が増えてしまう可能性があります。その結果、これからの風邪のシーズンは「感染拡大」という報道が毎日のように続いてしまいまうのではないでしょうか。
これまでの他の感染症の診療においては、まず最初に通常の医学的診断法(問診、診察、胸部CTや血液検査など)を実施し、事前確率が高いと判断した患者さんに対して、簡易抗原検査や培養などの特異的検査を行い確定診断をしてきました。
ところが今回の新型コロナ感染症の場合は、このような通常の医学的診断プロセスをすべて無視して、無症状や軽い風邪症状といった事前確率が低い人々に対しても、いきなりPCR検査や簡易抗原検査を実施し、陽性者を感染者として報告しています。
通常の医学的常識で考えると、あり得ない状況が実は現在起こっているのです。毎日報道されている感染拡大状況とそれに伴う重症者や死者数の増加の程度が、果たして新型コロナに特有のものなのか、それとも風邪やインフルエンザでも同じようなパターンとなるのかは、専門家も含めて実は誰にもわかりません。
何故ならば、インフルエンザや一般の風邪ウィルスについてのPCR検査を用いた今回のような全国的な広範囲の調査は、過去に一度も行われていないからです。今起こっていることは、感染拡大防止という名目で「人類史上初めてのPCR検査を用いたウィルス性呼吸器感染症の大規模疫学調査」を、世界規模で実施しているようなものなのです。


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