田代歯科医院ブログ
第69回 九州歯科学会総会
5/31日、九州歯科大学講堂で開催された第69回九州歯科学会総会に参加しました。学会は5/30土から行われており、九州歯科大学臨床歯周病研究会会長の牛島直文先生が「歯根膜から見えてくるもの」という演題で特別講演をされました。”歯を残すことは即ち、歯根膜をいかにして守るかにかかっている”という切り口から豊富な臨床例を提示しながら、歯内療法、歯周療法、再生療法、MTM,移植再植治療を解説されました。横田教授と私の捻転再植の臨床例も引用され非常に名誉なことでした。牛島先生ありがとうございました。また九歯大・欠損再構築准教授の有田先生が「熱可塑性ポリアミドナイロン製ノンクラスプデンチャーの臨床評価」という演題で発表され共同発表者として名前を出していただきました。ノンクラスプデンチャーは、咀嚼機能の回復は従来型に比較して優れており、その特性である弾性が負の影響を与えることはなかったということです。有田先生、これからもご指導宜しくお願いします。ありがとうございました。ポスター発表では千葉県館山市開業の山脇健史先生が「高度な骨吸収を有する下顎前歯部を保存しえた重度歯周炎患者の1症例 -その2-」、九歯大・歯周病学の中村友和先生が「Hopeless teeth保存への兆戦2 咬合力の強い患者における歯根セメント質破壊への対応」、同じく九歯大・歯周病学の守下昌輝先生が「予後不良歯への兆戦1 根分岐部病変へのエムドゲインと再植療法」という演題を発表されていました。どの発表も従来なら簡単に抜歯されていたケースですが、こだわりをもって歯の保存にチャレンジしていました。このインプラント全盛の時代に非常に貴重なことであると感じました。学会の最後にシンポジウム「小児歯科治療のエビデンスを探る-乳歯歯内治療、外傷、咬合誘導-」に参加しました。非常に充実した時間を過ごすことができました。来年も宜しくお願いします!
(田代歯科医院) 2009.06.29 22:50 個別ページ | コメント(0)
歓送迎会
4/10(金)小倉北区鍛治町のかくれ伽ダイニング 胡座で、九州歯科大学口腔治療学講座 歯周病制御再建学分野の歓送迎会がありました。私はちょっと遅れて参加しました。入局される先生、就職される先生、退職される先生のお話を聞くことができました。入局される先生方はとても初々しく、この大不況にもかかわらず、希望に満ち溢れていました。私も自分が入局した時、新しい環境で何が始まるのかワクワクした気持ちを思い出しました。退局して就職される先生方は、大学時代の充実した生活に感謝していましたが、少々名残惜しいところもあるようでした。退職される先生は、ご自身の卒業から退職までの歯科医人生を総括されたスピーチをしてくれました。各時期でいろいろな思いをもって過ごされており、九州歯科大学時代は、非常に和を大切にされていました。私もその笑顔に本当に癒してもらいました。ありがとうございました。春は出会いと別れが交錯する季節です。実は、気持ちを切り替えるチャンスです。皆さん、後ろを振り向かず、前を向いて歩いて行きましょう!
横田教授を中心にみんなとてもいい笑顔をしています!
(田代歯科医院) 2009.04.14 8:48 個別ページ | コメント(0)
九州歯科大学臨床歯周病研究会 創立15周年記念講演会
3月8日(日)に九州歯科大学臨床歯周病研究会 創立15周年記念講演会が小倉歯科医師会館でありました。記念講演会について報告します。
13:10 ~ 14:10
特別講演①
演題:「SPT中の再発症例についての検討と予後診断法の開発」
~ Clinical Progonostic Indicatorの解明 ~
演者:九州歯科大学歯周病制御再建学 教授 横田 誠 先生
抄録:Axelsson & Lindhe 1981年はメインテナンス中の付着の喪失を予防するにはメインテナンス中のPMTCに代表されるSPTによる長期維持管理の重要性が認識されてきている。一方、例え適切な維持管理を行っても再発が起こりやすい患者がいることも臨床的に経験するところである。今回は、基本治療によるpoor rsponsive patientはSPTにおいても再発傾向が高いことをベースに、biomakerや咬合因子などのprogonostic indicatorについて述べる予定である。
14:20 ~ 16:00
特別講演②
演題:「長期経過症例から見えてきたこと、まだ見えないこと」
演者:北川原歯科医院院長 北川原 健 先生(長野市開業)
抄録:卒業して半年にして父の急病のために長野に帰って臨床に入ってから40年が経過してしまいました。大学で勉強した経験を持たない私はただひたすら自分が処置したものの経過を診、推論することから知識を得てきたように思います。その中からいつかは臨床への考え方に「普遍性」を得たい・・と考えていましたが、人の変化は多様で未だに思考錯誤を繰り返す毎日を送っています。経過を診るという意味では捨てないで保存してきた20万枚になるであろう口腔内写真とカルテ袋の中にあるX線写真は役に立ちました。それらを見ていくといくつかは「普遍性がある・・」とよんでもいいと思われる事柄にも思い至りました。「臨床診断」「臨床経過」「臨床考察」という言葉が私は好きなのですが、今回は一つの症例の処置経過を軸として、「何故こう考えて処置したのか」「どんな結果になっているのか」を、長期経過症例を絡ませてお話してみたいと思っております。前述したごとく「EBMに基づく歯科医療」とは反対側にある形のものであり、フランス料理のフルコースのような美しくおいしいものではなく、信州そばやおやきのように貧しく栄養価も低くあっさりした、しかも賞味期限が切れかかっているものです。九州の方のお口に合うとは思えませんがご試食頂ければ幸いです。
2つの特別講演とも歯周病治療、いや歯科治療の本質に迫るものでした。患者さんにとっては、歯周病そのものがストレスになり、口の中だけではなく全身に影響を及ぼすということがよくわかりました。長期的に患者さんの経過を観察し、そこから得られる事実は、論文や実験とは違った説得力がありました。もっとディスカッションの時間が欲しかったです。
(田代歯科医院) 2009.03.21 7:46 個別ページ | コメント(0)
九歯大 基礎・臨床セミナー
2月8日日曜日、九州歯科大学同窓会主催の基礎・臨床セミナーに 参加してきました。テーマは”経営”についてでした。 講演のタイトルと講師の先生を紹介します。 各先生方の経営に関する簡単なコメントも挿入します。
午前 9:30 ~ 12:00
シェア争奪に明け暮れない歯科医院経営戦略
~小さなパイを奪い合う時代は終わった~
講師:福重 真佐子 先生(大阪河内長野市 開業)
経営→人生そのもの、情報戦
院長とスタッフで考える「行列のできる歯科医院」の作り方
講師:蓮井 義則 先生(香川県木田郡三木町 開業)
経営→安定化が大切、いい人をつくる
午後 13:00 ~ 15:30
どうしたらストレスのたまらない医院を作れるかについて考える
講師:角岡 秀昭 先生(熊本市 開業)
経営→自己改革
いい歯科医院を作るためには
~村上歯科医院の最近10年の奇跡から~
講師:村上 和彦 先生(北九州市小倉北区 開業)
経営→怖いけど面白い、自分がでる
4人の先生の話は、経験に裏付けられた貴重な話でした。
それぞれの立場で、過去・現在・未来について語ってくれました。
最後は若い先生方に開業につながる提言をしてくれました。
本当にありがとうございました!
(田代歯科医院) 2009.02.24 9:45 個別ページ | コメント(0)
九歯大 基礎・臨床セミナー
1/25日曜日に九州歯科大学同窓会主催の基礎・臨床セミナーに参加しました。
昨年の12/7に引き続き2回目です。前日の雪が残っていましたが、参加者は多かったです。午前中は補綴で午後は総義歯についてでした。
演題と講師の先生を紹介します。
午前 9:30 ~ 12:00
支台築造を再考する
~脱離や歯根破折を少なくするために~
講師小城辰郎先生(九州歯科大学 口腔再建リハビリテーション学分野 講師)
審美性を獲得するための支台歯形成と印象採得
講師 大村 祐進 先生(山口県下関市開業)
午後 13:00 ~ 15:30
ティッシュコンディショナーの使い方
講師 有田 正博 先生(九州歯科大学 顎口腔欠損再構築学分野 准教授)
機能解剖学を背景とした総義歯治療学
講師 脇本 貢 先生(福岡市中央区開業)
(田代歯科医院) 2009.01.31 9:20 個別ページ | コメント(0)
症例検討会と忘年会
12/13土曜日に九州歯科大学口腔治療学講座歯周病制御再建学分野の症例検討会と忘年会がありました。症例検討会では、大学3人の若手の先生と鹿児島県開業の高良憲明先生の発表がありました。順番に演題と発表者を紹介していきます。
第1題:「根分岐部病変を伴う予後不良歯をエムドゲインを併用した再植術によって保存した一症例」 発表者:守下昌輝 先生
第2題:「矯正治療後hopeless teethと診断された歯に対して再植とEMDを併用することで保存した1症例」 発表者:村田尚子 先生
第3題:「歯周治療が血糖コントロールに有益であった可能性のある症例」
発表者:松本ゆかり 先生
第4題:「非外科的治療による骨再生の評価について」 発表者:高良憲明 先生
第1、2題では通常では抜歯になる歯に対して、抜歯後、口腔外でデブライドメントし、引き続いてエムドゲインで処理後、抜歯窩に戻して経過を観察するということが行われていました。口腔外では処置を確実に行うことが可能です。しかし、抜歯の侵襲や再植後の創傷の治癒に注意が必要だと感じました。またこのような発想があると、抜歯の判断基準に再考が必要だと思いました。
第3題では、今後歯科と医科が連携を緊密にするためには、歯周病が全身疾患と関連することを積極的にアピールする必要性があると感じました。
第4題では、規格性をもってエックス線を撮影し、その結果を客観的に分析し、
非外科治療によって水平的骨吸収が垂直的に改善したことを証明した発表でした。一つ一つのステップを確実に丁寧に行っていく姿勢には、本当に頭が下がりました。
症例発表後、場所を移して、ホテルクラウンパレス小倉で忘年会がありました。
横田教授を筆頭に、牛島(直、進)先生、伊東先生、中島准教授、三宅先生、高良先生、中野先生、私がスピーチを行いました。スピーチでは各先生が近況や今後の歯科界の展望を話してくださり、非常に参考になりました。また現在増加している鬱病が一つのテーマとなり本音で体験談を披露していただきました。
症例検討会では歯科医師としての勉強、忘年会では人間としての勉強ができました。皆様のおかげで、中身の濃い1日を過ごすことが出来ました。ありがとうございました。
(田代歯科医院) 2008.12.23 11:19 個別ページ | コメント(0)
基礎・臨床セミナー
12/7日曜日に九州歯科大学同窓会主催の基礎・臨床セミナーを受講してきました。このセミナーの特徴は、テーマごとに基礎(大学の研究者)臨床(円熟した開業医の先生)がペアになって講演を行うものです。このことによって専門的なことをより理解しやすくなります。今日は午前中がエンドで、午後がインプラントでした。4人の先生方がそれぞれの立場で、一生懸命熱意をこめて講演をしてくれました。ありがとうございました。演題のタイトルと講演をしてくれた先生を報告します。
午前9:30~12:00
歯内療法における基本的手技の再考
~現在の学生教育内容とクリティカルパス~
講師 諸冨 孝彦 先生 (九州歯科大学 齲蝕歯髄疾患制御学分野)
根管治療の臨床診断と効率化
~下川エンドの勘どころについて~
講師 木村 英生 先生 (北九州市若松区開業)
午後13:00~15:30
インプラント術前診査におけるX線CTの活用法
講師 田中 達郎 先生 (九州歯科大学 画像診断学分野 講師)
時代のスタンダードを考える
講師 榊 恭範 先生 (福岡市中央区・行橋市開業)
田代歯科医院
福岡県北九州市八幡西区藤田2丁目4
TEL093-621-5287
(田代歯科医院) 2008.12.07 18:50 個別ページ | コメント(0)
第13回 スタッフセミナー
11/1土曜日の午後を休診させていただいて、当院の衛生士さん2人と一緒に九州歯科大学にて”歯周病におけるEBモチベーション”を受講してきました。参考になった2つのことについて紹介します。その一つは”自己発見の旅”というのがありました。これは、受講者が2回発表します。1回目は自分の小さい頃の想い出です。2回目は何か受賞した時の想い出です。発表の間、他の受講生は、各人の話を傾聴します。最初は皆さん緊張気味でしたが、どんどん発表が進むにつれて、何か一つにまとまっていくような感じがしました。話す内容も自分のことなので、非常に説得力があり、涙を誘う感動的なものや思わず納得して頷きたくなるもの、笑いがこみ上げてくるものなど様々でした。また横田教授による発表直後のフィードバックが発表者をリラックスさせ、やる気を起こさせたようでした。自分が体験して心に強く残っていることは、人に共感を呼ぶということを実感しました。さらに、発表するということは勇気も必要だと感じました。今回のこの体験は、患者さんとのコミュニケーションに生かされるだろうと確信しました。もう少し時間があれば、皆さんの話をもっと聞きたかったです。
それともう一つは新型ブラシ(ペリテクト)のトレーニングです。どのような歯ブラシかというと、歯ブラシの毛の部分が山型になっています。この形態が奥歯や歯の裏側を磨きやすくします。初めて使用すると、とっつきにくい感じがしますが、慣れてくると必須アイテムになります。
下の写真は講義中の横田教授と新型ブラシ(ペリテクト)です。セミナーでお世話になった先生方、有意義な時間ありがとうございました。今後もスタッフセミナー宜しくお願いします!!
(田代歯科医院) 2008.11.04 15:32 個別ページ | コメント(0)
口腔保健フォーラム
10/12 日曜日に九州歯科大学で行われた口腔保健フォーラムに参加してきました。内容は『超高齢社会における歯科医療・口腔保健のこれからを考える-全身の健康と口腔保健-』という演題に対して4人の専門家(大学教授2名・開業医2名)がそれぞれの立場で講演をしてくれました。
まず口腔内の健康が全身に影響を及ぼすということを再確認することができました。開業医として、さまざまな研究の結果が何を意味するのかを理解し、臨床の現場でどのようにフィードバックできるかということを考え、実践していくことが必要だと感じました。 研究者と臨床家の相互理解・信頼が、今後の超高齢社会をよりよくするためには必須だと思いました。
また二十数年ぶりに学生時代にお世話になった高江洲名誉教授と再会することができました。挨拶に行ったら、覚えていてくれて感激しました。
“To be changed or not to be changed. That is the question.” これは学生時代、高江洲教授が教えてくれた名言です。今でも大切にしています。
二十数年前の学生時代の記憶が蘇り、不思議な感じがしました。