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田代歯科医院ブログ

集団免疫獲得への道筋

集団免疫獲得への道筋

 

野村 洋文
1月15日

冒頭~ ワクチン接種の是非については、個人の考え、感性、生活環境、信条、体質、多様であるが故、各人の希望に委ねる、というのが管見です。 それを踏まえて~ ワクチン接種は、個の立場からすると、感染時の重症化を防ぐことであり、日本国の立場からすると、集団免疫獲得を促進させることであります。 感染(無症状、軽症)、すればするほど社会・集団は良い方向に向かう、と幾度となく書いております。それを人の力で促進させるのが、ワクチン接種です。(集団免疫の見地から) ただし、現・新型コロナ対策司令塔(○○おじさん)は、集団免疫の概念が希薄で、長期的な展望はお持ちになっていないような気はします。ご参考までに、尊敬する山本太郎先生の記事をアップしました。 繰り返しますが、ワクチン接種の是非は、個人に委ねるべき、が管見です❗️


新型コロナウイルス感染症の重症化予防には、ビタミンC、ビタミンD、亜鉛

新型コロナウイルス感染症の重症化予防には、ビタミンC、ビタミンD、亜鉛


PCR検査の実情

PCR検査の実情

Kazuya Kitamura
1月15日

こういう、マスコミの偏向報道を正すような貼り紙をしてくれるお医者さんがもっと増えてくれると、本当の意味で健康的で明るい社会になりますね😊
PCR検査を受けざるを得なくなった時の参考にもなります。
みのりクリニック
http://minori-clinic.org/mysite2/info.html


重症化から生還された方の投稿です。

重症化から生還された方の投稿です。改めて「正しく恐れる」事が大切だと思います。

 

辻 直樹
1月8日

皆様、遅ればせながら、新年明けましておめでとうございます。
年末に「COVID19」に感染し、三途の河の手前で生還しました。
感染源はまだはっきりしませんが、年末の診察時の感染かと思います。その点は、この職業を選択した段階で覚悟を決めております。
当然ではありますが、回復次第、当院クライアントで感染された方・自宅/ホテル待機となって不安な方などの対応に全力で当たらせていただきます。
それにしても、想像を超えた苦痛と恐怖。これは経験者でないとわからないと思います。
1:予防しながらの感染
2:症状ありながらの検査陰性状態時
3:検査陽性になってから保健所とのやりとり
4:自宅待機
5:最前線の現場との対応
6:自宅待機
7:自宅での悪化
8:保健所との再調整
9:救急外来
10:入院
11:悪化
12;ICU
13:人工呼吸器
14:回復傾向
15:人工呼吸器離脱
16:リハビリ/回復期
17:後遺症
という思い浮かぶだけのすべての流れを経験しました。
人工呼吸器まで進み「命を失う可能性」についての話を聞きつつ、多くの医療スタッフの必死の治療のおかげで今文章を書いております。
私は医療従事者です。救命救急の経験者でもあります。
人工呼吸器に繋がれながらも
・呼吸器の設定
・投与薬剤の内容
・肺の状態
・生命リスクレベル
などを冷静に確認し「駄目なら駄目 命が助かったら良い経験として仕事に生かそう」と思ってお任せしていました。
そして、無事生還し、ICU時に思ったこの経験を少しでも共有できたらと思いました。
感染→発症→重症化→回復
世間ではコロナのいろいろな情報が流れておりますが、そのほとんどが間違っているように感じます。
予防について
治療について
保健所対応について
医療体制について
ベッドについて
その多くが「楽観的/希望的」な内容だと思います。
(そうなって当然だと思います)
・予防に必要なこと
・抗原検査の意味
・PCR検査の意味
・検査陰性=非感染者?(全く違います)
・自覚症状は?
・保健所➡︎自宅?施設?病院?
その他、本が一冊できそうなくらいですので、体調が回復しましたら一冊にまとめてみたいと思います。
この感染症の恐ろしさは「ロシアンルーレット」という部分でしょう。
何ともない人/軽症の人には「ただの風邪」
ハイリスクの人に取っては「殺人ウィルス」
です。あっという間です。
私は医療従事者なので、医療側から書かせてください。
この病気の治療は、最後の砦として働く救急医のドクター/スタッフの心身を疲弊させ、蝕みます。
特効薬もなく、正しい治療プロトコールもなく、患者の命の責任を一手に背負いながら霧の中を歩くような治療。「助けて当然」「なぜ受け入れない」とメディアで言われながら物凄いプレッシャーとストレスだと思います。
同じ医療従事者として頭がさがります。
この治療管理には「医者だから」というレベルではなく、細かい救命救急管理が求められます。
車の運転に例えるなら、普通のドライバーに「運転免許持ってるんでしょ?」とF1ドライバーレベルの技量を求めるようなものです。
スーパーカーや戦闘機は工業なので作ることはできます。
しかし、パイロットの養成は容易ではありません。
医師免許をもっているからなんでもできるわけではありません。
もしそれを既存の医師に求めるのであれば、戦時下の医師と同じレベルを覚悟してもらうしかありません。
トリアージです。(すでに始まっています)
自分が運ばれ(それだけでもラッキーです)、どのドクターに担当してもらえるか。
専門医であれば、ラッキーですが、急遽配置換えとなった医師/スタッフではコントロールは困難の極みです。
この感染症は「肺炎球菌」でも「インフルエンザ」でもない「全く新しいウィルス」なのです。
世界の先進国の一流の医療/スタッフが必死で戦っても、勝てていないのが現状です。
「○○が効く」というのではなく「どの薬を/どの薬をくみあわせて/どのタイミングで/どのくらいの量を/どの期間投与するか」によって結果が大きく変わります。(それはどんな病気でも一緒なのですが)
専門医の先生方が、試行錯誤しながら、手厚く/デリケートに積み上げた結果だと思います。
私はその専門医チームの素晴らしいチームワークに命を助けられたのです。
そして、このようなラッキーは二度とないでしょう。
さらに言えば、50才以上の男性で、死にたくなければ「とにかく基礎疾患をなくし、体力を上げること」です。
治療は過酷を極めます。
その治療に耐えるだけの身体能力がなければ無理でしょう。
生活習慣病は「薬で数値が良くなっている(良く見える)」と「薬を飲まずに正常」は似て非なる物、全く別物です。
心身ともに立ち向かえる身体を今すぐ作っていってください。
肺が疲れるので、このあたりにしたいと思います。
本年も、皆様が健康に過ごせますように!
そして、少しでも思考が変わり、いざというときに命が助かりますように!
医療法人社団医献会 辻クリニック
理事長/院長 辻 直樹


コロナ体験者の声

コロナ体験者の声

辻 直樹
1月9日

COVID19は、普通に会話できた状態から急激に呼吸苦が進行するのですが、それは画像でもびっくりするほど早く進行するようです。
最初は「右肺がちょっと痛いかな?」程度でしたが、あれよあれよと言う間に酸素が入らなくなります。
レントゲン(CTがわかりやすいのですが、まだ手元にないので)でも右肺全体の変化が進行しているのがわかりますし、回復期に入った現在でも画像上はあまり変わりません。
検査結果と自覚症状を分析すると、たしかにこの肺症状は二面性があるように感じます。
1:気管支〜肺胞における急性炎症(細気管支~肺胞炎)
2:抹消循環の血栓(肺梗塞)
です。
血液/画像/症状からみて「この2つの混在」なのでしょう。
現状を例えるなら「肺に進入してきた敵を、見方である免疫細胞が必死に撃退し、どうにか侵略を回避したが、そこに残ったのは無残な焼け野原」という感じですが、敵は
1:地上部隊の進撃(肺炎)
2:スナイパー(塞栓)
の波状攻撃です。
今の私の肺に存在するのは、戦後の東京の街並みです。
安静時の呼吸苦はさほどでもありませんが、労作時はまだまだキツイです。(階段上がれるかな?)
そしてここからが重要だと考えており(生き残ったから言える事ではあるのですが)、肺(街)の「復興」です。
壊れた肺を元の状態に戻す。再生させるということです。
これができなければ、この状態の継続「後遺症」と生涯お付き合いするということになります。
肺を再生するためには、肺胞周囲の「幹細胞」とそれに対する刺激(成長因子)がポイントになります。
また、細胞修復に必要なサーチュイン遺伝子の刺激も必要になります。
せっかく命をいただいたのだから、この肺を使って再生治療をやってみようと考えています。
幸い、私の周りにはそのエキスパートが沢山おります。治療計画の時には無茶なお願いでもしてみようかと。
もう一つ問題なのが、最近海外の論文でも言われる「Brain Fog」と呼ばれる「脳の霧現象」です。
これは
1:ウィルスが脳神経に進入した
2:微細な脳血栓
の2つの説があります。(まだ正確にはわかっていません)
これも、脳のMRIでもチェックしながら調べたいと思います。
ご質問が沢山きています。
重症時/人工呼吸器時の状態についての質問が多くあります。
これについては、医者として患者として、自分なりに「こういう状態なのか」という部分も沢山ありますので、別の機会にまとめてみたいと思います。
ちょっと疲れました。
今日のところはこの辺で。
皆さんが健康でありますように。
医療法人社団医献会 辻クリニック
理事長/院長 辻直樹


大木先生の提言です。

大木先生の提言です。一読の価値があると思います。

 

大木 隆生
1月7日

COVID-19感染症に対する大木提言(ver3)   2021年1月5日
慈恵医大 外科統括責任者・対コロナ院長特別補佐 大木隆生
1) 緒言:昨秋からの感染者数の増大による医療ひっ迫、崩壊リスクの声を背景に2021年1月4日に政府が大きな経済ダメージを伴う緊急事態宣言を再度発出する方針と報じられた。感染者数が日本の数十倍でありながら英国や米国では医療崩壊が起こっていない。にも関わらず、なぜ本邦ではこの程度の感染者数で医療ひっ迫、医療崩壊リスクが叫ばれているのか?本邦における医療体制に大きな問題があることは明らかである。本邦においては本来経済を止めずに十分COVID-19感染症(新型コロナ)に対応出来きたはずなのに誠に残念な限りであり、改めて新型コロナの対策として2020年7月に未来投資会議民間議員としてまとめた本提言を更新した(文献1)。なお、固定給しかも時給1,200円程度で医療を提供している自分にとっては非常事態宣言が発出されて少しでも負担が減る事が私個人としては好ましい事であり、またこうした提言を発表することで不要なバッシング・リスクを負うことになるが国益を第一に勇気を出して大木提言を更新する。パンデミックに対するさしあたってのゴールは、「医療崩壊の結果、救えるはずの命が救えなかったという事態を回避すること」、そして最終的には集団免疫を獲得する事である。医療崩壊を回避するには感染者数を減らす事と受け皿である医療体制を強化する、の2点に絞られる。本提言のポイントは感染者数を減らすことを目的に副作用が強く、効果も定かではない非常事態宣言を発出する前に、医療体制を強化すべき、というものである。経済と国の財政に多大な負担を強いた非常事態宣言・外出自粛により、新型コロナ患者数を一時的に減少させることができたがその効果も2か月しかもたなかった。また、新型コロナがより猛威を振るっている欧米ですら、非常事態宣言の効用や是非に関しては議論の余地があり、もとい、欧米比べ強力なロックダウンを行っていないにも関わらず有症状のコロナ感染者数が極端に少ない本邦において大きな経済ダメージを伴う患者数を減らす政策を実行する事は論理的とは言い難い。やむを得ず宣言を発出するとするならば、それは後述する通り経済を止めるものではなく医療体制強化を目的とした内容であるべきである。
2) 日本独自の対策の必要性:自由民主主義国家で私権を尊重する以上現実的ではない「新型コロナを封じ込める」という考えから発想を転換し、もう一度安倍政権でめざした「新型コロナと共生」に戻すべき。新型コロナは欧米においては恐ろしい感染症であるが、様々な理由から日本人にとっては季節性インフルエンザ程度の病気と位置づけられる。それは日本での人口当たりの感染者数も死者数も欧米の約50~100分の一である事やオーバーシュートが一度も起こらなかった事など、過去1年間の経験とデータをみれば明白。従って欧米での経験・政策、それに基づいたWHOの見解は日本にとって参考にならないものが多く日本独自の対策が求められる。(図1)
3) 日本人にとっての新型コロナ:現在本邦における真の新型コロナ感染者数はどれほどなのであろうか。難しいのは無症状感染者あるいは無症状に過ぎた既感染者を洗い出す方法である。抗体検査はスクリーニングとしては簡易であるが、自然免疫で新型コロナを駆逐した場合には獲得免疫・抗体が動員されないので既感染者を調べる上で有用ではない可能性が高い(特にコロナ抵抗性がある日本人において)。感染率を調べる有用な方法は結局PCR検査に頼らざるを得ない。これまで実施された無症状の国民を対象としたPCR検査結果(1-3%)から日本には既に数百万人単位の感染者がいたことになるが、それこそ多数の無症候性患者がいる事の証明である。もっとも信頼できるのは世田谷区が施行した健常・無症状の介護施設職員らを対象にしたPCR検査結果である。2021/1/4までに5,455人にPCRが施行され、55人(1.0%)の陽性が判明した。(文献2)つまり、東京都に換算すると1.0% x 1,400万人=14万人。東京都の累計死亡者数は632人なので、こうした信頼できる大規模データから逆算した新型コロナの死亡率(infection fatality rate, IFR)は0.4%となる。実際これを反映してか、感染者数の増加に従い東京都の死亡率は現在1%を切る所まで下がり続けている。死亡者数は1年の累計であるのに対して、このPCRは1回だけ検査したスナップショットであり、従って無症候性感染者数は通年であればはるかに多く存在しており、0.4%は大幅な過大評価であり、東京都における真のIFRは季節性インフルエンザと同程度(0.01~0.03%)と推定できる。さらに全国レベルで見渡しても、感染が確認された全国PCR陽性者数(240,054人)から計算した死亡率(case fatality rate, CFR)は1.48%(3567人)と昨年夏ころの5%前後から急速に低下している(文献3)。上記を裏付ける事実として日本における2020年の死因別ランキングが示唆的である。2019年の死因ランキングに2020年の新型コロナによる死亡者数を挿入すると、新型コロナは第36位(11月末時点)。一方、季節性インフルエンザは2019年は31位(図2)。さらに、同様の手法で世界と米国の死亡原因ランキングを作成するといずれも新型コロナは死因第3位にランクインしており、日本人がいかに新型コロナに抵抗性を有しているかを如実に物語っている(文献4,5)。日本で新型コロナで死亡した約3500名の平均寿命は約80歳である一方、急増している自殺者のそれは40歳代であること、さらに自殺者数は新型コロナ死者数の5-6倍もある事は念頭におくべきであろう。2020年12月31日に東京都の新規PCR陽性者数が1300人を超えた事が衝撃をもって報じられたが、上述した通り、都内には14万人単位で陽性者が存在し、そのうちのわずか1%(1300/14,000,000)がPCR検査を受け検出されたと解釈すれば新規陽性者数に一喜一憂する必要がない事が理解できる(文献6)。
4) いわゆる第3波と医療崩壊:11月以降気温と湿度の低下により昨年の第一波の時から予想された通りPCR陽性者数は増えたが、30日かけて倍増というスローペース(感染爆発・オーバーシュートは2-3日で倍)なので、医療崩壊は起きていない。昨年5月の大木提言第一版から主張している通り、新型コロナ・ICU使用率をモニターし、占有率50%以下にコントロールされていれば医療崩壊には至らないし「救える命が救えない」という事態は回避できる。またICU使用率の分母の確保ICUベッド、病床数は人為的な数字で後述する策により増やす余地は十分ある。現在、メディアで盛んに医療崩壊が叫ばれているが、新型コロナ重症者が一部の病院に集中し、その病院の声ばかりが報道されているためのバイアスがかかっている。例えば新型コロナ重点病院に指定されている慈恵医大で確保してきた新型コロナ用ICUは8床あるが過去6か月でほとんど使用されることはなく、今日現在も1名のみである。新型コロナ重症患者の適正配分が大事である。同時に医療の受け皿を大きくする事も大事である。現在東京都が確保目標としている新型コロナ用ICUは250床だが、これは東京都にある全ICU/HCU(high care unit)のベッド数2,045(一般病床は106,240)に対してわずか12%である。そして、全国には17,377床のICUベッドがあるが新型コロナに使用されているのはわずか4.2%(730/17377)である。一般病床数は全国に約90万床あるが新型コロナの入院患者数は2020年12月末時点で約11,000人だったので新型コロナの病床利用率はわずか1.2%であり、また、新型コロナ患者の受け入れ実績のある病院も全病院の18%にとどまっている。無論、マンパワーや第二類感染症指定などの問題もあり、これらICUやベッドがすべて一度に使える訳ではないが少なくともハードウェアがこれだけある、という事実は知っておくべきだし、もっとフェアに報道されるべきである。財政支援、経済的インセンティブを強化すると同時に後述する第二類感染症指定をダウングレードすることで各段に受け皿を大きくすることはできる。最近、新型コロナベッドとICUベッド確保に対して各々450万円、1500万円の補助が出されることが発表されたが、加えて、例えば新型コロナ重症者の診療報酬を10倍(現在は3倍)にするなどの措置をとれば新型コロナの受け皿は格段に大きくなる。大雑把に計算しても、昨年4月の非常事態宣言で失われたGDP40-50兆円の1/1000以下のコストで十二分である。さらに、都立病院、公社病院、国立病院、自衛隊病院など政府や自治体の命令で稼働できる病院が十分に活用されていないのでこれらを一層活用する事で医療崩壊レベルは一層遠のく。東京都には2021年1月3日時点で87名の重症新型コロナ患者がICUで治療されているが(東京都全ICU/HCUベッド2,045の内4.2%)、半数以上の48名が私立医科大学病院で加療されている。東京医科歯科大学は6名。一方、公的病院を見ると、国⽴国際医療研究センター病院(2名)、自衛隊病院(2名)、国⽴病院機構東京医療センター(0名)、東京都⽴駒込病院(0名)、東京都⽴墨東病院(6名)、東京都⽴松沢病院(1名)、東京都⽴広尾病院(1名)、東京都⽴⼤塚病院(0名)と少なく、公的病院が十分に活用されていない事が分かる。緊急事態宣言で経済を止める前に、大阪市長が大阪市立十三市民病院を新型コロナ専門病院へと市長命令ですぐさまコンバートさせた事例をお手本にし、国は自衛隊病院、国立国際医療センターなどに、都知事は都立病院群に一層強力な新型コロナ対応を命ずべきではないか。今回のようなパンデミックや災害時こそ運営費や赤字補填に多額の税金が投入されている公的病院がその使命を発揮する好機である。人口当たりのベッド数が世界一の日本で、しかも日本に比べて人口当たり数十倍の患者数が発生している欧米でも医療崩壊を起こしていない中、日本で医療崩壊が叫ばれるのは適切な対応をとってこなかった何よりの証拠である。
5) 慈恵医大の余力:慈恵医大外科には本院を含め34の関連病院に約300名の外科医が所属しているが現時点で統括責任者として基本的に外科医に新型コロナ対応をさせていない。その理由は現状において新型コロナ対応は本来の専門である呼吸器内科医、感染症内科医、総合診療医、救急医が持ちこたえているからである。時にその他の内科系医師がヘルプしている。ただし、この布陣で持ちこたえられなくなった際は外科医にも協力指令を出すつもりだし、部下らもその心づもりを持っている。現状、まだ専門外の診療科医師を動員する必要がなく、従って医療崩壊の瀬戸際にはない。なお、医療崩壊の定義は当該診療科の医師が疲弊しているか否か、すべての患者がタイムリーに病院を受診できるか否かではなく、救える命が救えなくなったか否かであり、そうした状況に追い込まれるまでまだ幾重にも防波堤がある。なお、これら外科医は日頃からICUで手術後の重症者の管理をしており、いざという時は人工呼吸器の装着、管理を含め新型コロナの重症者対応において戦力になる。本日の時点で慈恵医大、慶応大学病院を含む都内の主要病院で不要不急の医療の筆頭格である健康診断・人間ドッグが実施されている事一つ見ても医療崩壊から程遠い事が見て取れる。2020年12月に医療ひっ迫度を調べるために慈恵の外科医に対するアンケートを施行した。アンケートではひっ迫度を測る以下の各項目について新型コロナパンデミック前を1-10のスケールで5とし、現在の状況を数値化した。その結果、外来患者数では中央値4(範囲2-7)、手術件数は4(2-8)、総仕事量は3(1-8)、疲弊度は6(4-8)であった。慈恵医大及び関連病院において病院の柱の一角を占める外科医がひっ迫しておらず、現状でも余力があることが見て取れる。また、新型コロナが恐るるに足らずとは言え、新型コロナを受け入れた病院の9割が赤字では病院サイドもコロナ患者の受け入れに消極的になってしまうのは自明である。従って、新型コロナに対応している病院へのさらなる財政支援をすることで新型コロナを病院にとって「貧乏クジ」から「当たりクジ」に変えることで医療崩壊閾値を格段に上げることができ、国民も安心して経済を回せる。なお、徹底したゾーニングなど真摯にコロナ対応をした慈恵医大の今年度の赤字額の見通しは約100億円である。
6) 第二類感染症指定の益と害:新型コロナは第二類感染症相当に指定されているのでPCR陽性と判定されたら隔離等が必要となり、濃厚接触者も自宅待機となるので国民に過度の恐怖を与え、さらに保健所も医療も過度の業務を強いられている。例えば最近の慈恵での事例。院内で医療従事者一人の感染者が出たのでその病棟は閉鎖、その者と接触した医師、看護師、技師などが自宅待機、そして当該診療科の手術はすべて中止。このようなことを日本中で繰り返しているので病院がいくらあっても足りない。さらに、新型コロナ病室の掃除など看護師、医師以外の職種が担当していた業務も指定感染症であるため業者に任せづらく、医療者への負担増となっている。また軽症者・中等症病床の運営にも大きな支障となっている。まず、看護師が新型コロナ専属とならざるを得ないのでシフト組においても極めて効率が悪く、看護師の肉体的・精神的負担増にもつながる上に、ベッドの運用もままならない。例えば慈恵医大には新型コロナ軽症・中等症用に25床用意しているがこれらは新型コロナICUと違い、第3波以降満床が続いている。一方で慈恵医大本院1,001床のベッド利用率は70%前後であるので常に数百床のベッドが空いている。しかし、指定感染症であるためこれら空床は新型コロナ患者には全く活用できない。同様に、全国に重症者用ICUを完備している医療機関は約1,000あるが、その内でこれまでに新型コロナ患者の治療で人工呼吸器を使用した実績があるのは310病院に限られているのも第二類感染症指定が強く影響している。つまり人もハードも第二類感染症指定であるために極めて効率の悪い運用を強いられているのである。元々新型コロナが指定感染症となった理由は1)未知のウィルスである、2)治療法・予防法がない確立されていないからである。しかし、人類はすでに一年に渡り経験を積んできたので必ずしも未知ではないし、多くの確立された治療法が保険適応となり、実際厚労省から新型コロナ治療ガイドラインまで発刊されている(文献7)。従って、第二類相当をダウングレードし、インフルエンザ・風邪コロナウィルス同様に扱うのが妥当であろう。国民に対しては新型コロナの病気について啓蒙、理解させることが肝要である。10~40代の若年層に対しては1)体調が悪かったら学校、職場に行かない、2)症状が強くて辛かったら病院に行く、3)そうでない人は手洗い・ユニバーサルマスクを徹底しつつ慎重かつ力強く経済を回す、という常識的な対応をとるべきである。中高年以上で基礎疾患のある者、70代以上の高齢者に対しては軽症であっても積極的に早期にPCR検査、医療機関受診(肺炎のチェック)を行ってもらい、そして若者における無症候性、軽症者を極力入院させず、新型コロナナ病床に常に余裕をもたせ、治療の必要のある患者に入院を特化させる体制を築く事が医療崩壊を防ぐ上でもう一つのポイントとなる。罹患し症状が出たら、いつでも受診・入院加療が出来る事で国民の安心感も担保できる。また第二類感染症指定をダウングレードする事により若干院内感染が増えるかもしれないが、ゼロリスクは存在しないこと、また、運用効率が悪いことにより治療が必要な患者がたらい回しになる事を考慮すると総じてリスク・ベネフィットの観点から十分正当化される。対策としては医療従事者に対して定期的なPCR検査(週に一回など)を行うことで医療サイドからの無症候性感染のリスク低減を図ることであろう。
7) 感染弱者に対する配慮:高齢者施設や病院での院内感染による死者数が全体の40%を占めているのでこれら感染弱者を守ることで死亡率をさらに下げることができる。そこで公費負担で入院する患者と共に、施設・病院従事者に対して週一回程度のPCRを実施すべき。
8) ワクチンに関して:最近、欧米製薬企業が相次いで有効性が約70%〜95%を謳うRNAワクチンの開発に成功したと発表したが、懸念点は二つある。第一に、人類史上初の遺伝子ワクチンなので長期の安全性が担保されていない。また、発症と重症化阻止に有効であったとのことだが、感染防止あるいは感染伝搬阻止(無症候性感染者の感染力抑制)に有効であるか否かは不明で、死者数が極端に少ない日本に必要なのは後者である。非常事態宣言で数カ月耐えしのげば、その後はワクチンがこのパンデミックを解決してくれると考えるのは早計かもしれない。インフルエンザは毎年ワクチンが十分供給され、抗インフルエンザ薬が存在するにも関わらず毎年数千人が亡くなっている事実を忘れてはならない。過度にワクチンに頼る政策はリスクがある。ただ、医療従事者へのワクチン供給がなされたタイミングで先述の第二類感染症指定を外すのは合理的である。結局、新型コロナを特別視せず医療崩壊を招かない様に医療体制を強化し、引き続き基本的な感染対策で感染の山を緩やかにするのが王道であろう。もし感染者数を減らす施策をとるならば非常事態宣言無しでも札幌と大阪が第3波をピークアウトさせた手法を東京都も学ぶべきであろう。
9) 結論:新型コロナは日本人にとっては経済を停止・破綻させ、自殺者増を招く非常事態宣言を度々発出するほど怖いものではない。少なくともそうした私権制限を伴う措置をとる前に国民にそれを啓蒙し、実害のない「新規陽性者数」「過去最多」に一喜一憂せず、経済的に新型コロナ対応の私立・民間病院を援助・インセンティバイズし、政治主導で新型コロナ体制強化を命じる事が出来る公的病院を最大限活用し、第2類感染症指定の運用を柔軟にすることで医療崩壊を防ぐべきである。そしてこの「日本の特権」を活用し、このまま基本的な感染対策を遵守し、国民の生活と経済優先で進めるべきである。詳しくはHP、Facebookにアップしてある「大木提言」を参照されたし
引用文献
1) 未来投資会議での大木隆生発言骨子 siryou4.pdf (kantei.go.jp)
2) 介護事業所等を対象としたPCR検査(社会的検査)の実施について【1月4日17時更新】 | 世田谷区ホームページ (setagaya.lg.jp)
3) COVID-19 Japan – 新型コロナウイルス対策ダッシュボード#StopCOVID19JP
4) https://twitter.com/takainou_0907/status/1333749513144602628
5) Our World in Data, Johns Hopkins CSSE
6) コロナ第3波に備える。大木隆生 雑誌美楽2021年1月号  feature.pdf (bigaku.asia)
7) 医療機関向け情報(治療ガイドライン、臨床研究など)(mhlw.go.jp)
図1
図2 INOUE Takashi/井上貴史 @takainou_0907 より
画像


ミュータンス菌はカリエスだけではない!

ミュータンス菌はカリエスだけではない!

 

 

堤隆夫
2020年12月17日
悪玉むし歯菌 (cnm陽性mutans菌 / 日本人5人に1人が保有)が, 微小脳出血の出現に関与し, 脳卒中のリスクを高めることが明らかになった. 脳出血は全脳卒中の20%程度を占め, 比較的発症する年齢が若く, 症状が重篤となりやすい. 脳出血は高血圧や糖尿病などの生活習慣病と関わりが深いが, それだけでは説明できない部分が多く, 従来から未知の要因があると考えられていた.
口の中で出血すると, 血管を通り脳内に到達. 炎症により血液を固める血小板の働きが抑えられ, 脳出血につながると考えられる. この「悪玉むし歯菌」は, 生活習慣や年齢の影響によってほころびが出た脳血管のコラーゲンに接着し, 炎症を起こし, 出血を止める血小板の働きを抑制することで脳出血を引き起こすのではないかと考えられている.
口腔ケアで脳卒中などのリスクを低減できる. 口腔ケアの重要性はいくら強調してもしすぎることはない. オーラルヘルスは命の源でもある.
私たち歯科医師は, オーラルヘルスとの関連で “いのち” を考えていく. オーラルヘルスは “愛の心” である. “愛の心” は, 永遠なり.
❇ 研究グループ (国立循環器病研究センター/ 国立大学法人大阪大学/ 慶應義塾大学医学部)は, 脳卒中で入院した患者から同意を得て歯垢を採取し, その中に含まれるミュータンス菌を培養し, cnm陽性ミュータンス菌と経時的な微小脳出血の出現率の関係を調査した結果, cnm陽性ミュータンス菌が歯垢中から検出された患者では, そうでない患者と比較して, 微小脳出血の出現率が4.7倍高いことを明らかにした.
https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/STROKEAHA.120.029607


焼き芋の季節です。笑

焼き芋の季節です。笑

 

田代 芳之
2018年12月15日
今日は、診療後のおやつに焼き芋を作りました。安納芋とシルクスイートです。これからの季節、美味しくなります。


安倍前総理は、確か指定感染症(2類相当)を見直すと発言されていたと思います。

安倍前総理は、確か指定感染症(2類相当)を見直すと発言されていたと思います。この事に関して専門家でしっかり議論して頂き、妥当ならば解除すれば、医療崩壊の防止に繋がると思います。

<下記画像をクリックしますと詳細をご覧いただけます>


はじめに言葉ありき

はじめに言葉ありき

<下記画像をクリックしますと詳細をご覧いただけます>


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